NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その684◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語  vol.54竹澤 伸一

「ケガは完治に向かって、1歩1歩進んでいます。今、2年生ですが、この学年の間に、サッカー部への完全復帰をめざしたいと思っています。」加佐幸音くんは、決意を前面に出して語ってくれました。

「単に公式戦に出場するだけではなく、スタメン出場が目標で、それにこだわっていきたいと思っています。」そうですね、目標は高ければ高いほど、自分の中のモチベーションは高まると思います。

ところで、「スタメン」と聞くと、私の中に「ある記憶」がよみがえってくるのです。今まで、本連載で、剣道部顧問としての監督論、指導者論を時々書いてきました。でも、「選手であった自分」のことを書いたことはありませんでした。初めて書いてみようと思います。

私は、本格的な剣道の選手としては遅めの、中学1年生から剣道を始めました。小さい頃から患っていたある病気のリハビリとして、恐る恐る始めたのです。体格も筋力も乏しかったので、人一倍稽古をしました。中1の秋、小学校から始めていた同級生は、新人戦に、早くも「レギュラー・スタメン」として起用されます。センスのある選手だったので、先輩を押しのけて大活躍しました。当然、私にはお呼びはかかりません。

中2の1年間も、せいぜい補欠止まり。表舞台に出たことはありませんでした。中2の冬、ようやく身体イメージと剣道が一致し、中3の春、やっと「スタメン」を勝ち取り、上位の大会へも出場できました。

加佐くん、絶対にあきらめずに、「人一倍」練習することだと思います。私の感覚では、「人一倍」とは「人の2倍ではなく3倍」です。そこまで練習すれば自信にもなりますし、何よりも「思わぬ楽しみ」が湧いてきます。

(つづく)