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◇愛情教育、この指とまれ◇その688◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語  vol.58竹澤 伸一

「特別活動の指導法という、教職科目の授業は、自分にとって、まるで教育実習に行っているかのような授業でしたね。」鈴木章互くんは、授業のワンシーンをいくつも思い出しながら語ってくれました。

「中学生や高校生の時は、学級活動と生徒会活動、それに学校行事が渾然一体となっていて、区別して取り組むという感覚があまりありませんでした。けれども、いざ教員として、指導者として、特別活動の計画・実践を考えてみると、生徒の時には見えなかったあらゆるものが、わーっと自分に押し寄せてきて、しばらく戸惑いの中にいましたね。」鈴木くんは、むしろそんな自分を楽しみながら語り続けているようでした。

かく言う私も、実は鈴木くんと似たような感覚を味わっていました。かつて中学校の教員だった頃は、特別活動の三大要素、学級活動・生徒会活動・学校行事を、夢中で計画し、中学生とともに汗だくになりながら、ひたすら取り組んでいました。おそらく中学校において最大の行事である卒業式の運営を巡って、何昼夜も議論し、結果として唯一無二のものを創り上げた時、鈴木くんの言う「わーっと押し寄せる」感覚にとらわれたことを今でも覚えています。

今は昔、そんな私も大学教員になり、特別活動の指導法のシミュレーションを鈴木くんたちとおこなっています。夢中であった時には見えなかったものが見え、あの時の情熱が、再び我が身に帰ってくることを噛みしめています。

鈴木くんは、名産大サッカー部員としての活動と、例えば教職科目の履修との両立を図り、間違いなく日々頑張っています。「まるで教育実習に行っているかのよう」という感覚は、2年生である現在でも重要なことです。鈴木くん、今の学修と部活動の両方を楽しみ、その前向きな感覚を持って、ぜひ2年後、教育実習に赴いてほしいと思います。

(つづく)