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◇愛情教育、この指とまれ◇その701◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語 vol.71竹澤 伸一
「私の将来の目標は、『人の心を視ることのできる教師』になることです。」石川翼くんは、一点の曇りのない目でこう言いました。では、「人の心を視ることのできる教師」とは、どんな意味なのでしょうか。
石川くんは、人の心を「見る」でもなく「観る」でもなく、はたまた「診る」でもなく、あえて「視る」という言葉を使いました。私は、日頃の石川くんの言動から判断して、この「視る」を、「偏見のない目で、その子どもを丸ごと視る」という意味で使っているのではないかなと感じました。換言すれば、決して「色眼鏡で見ないで、その子をまっすぐに、ありのまま視る」という意味ではないかなと感じました。
すでに名産大に入学した時点で、自分の過去を吹っ切っている石川くんですが、想像するに、ある種の偏見の目にさらされた時期があったに違いありません。たぶん、だから余計に、「生徒としてだけではなく、人として向き合い、その子の人生の通過点になれるような教師になりたい。」と考えるのではないでしょうか。
「その子に合った声かけ」「その子に応じたサポート」・・、石川くんと話していると、何度となくこういった言葉が出てきます。これもたぶんなのですが、石川くんが「心理学検定」の資格取得をめざすのは、心理学をツールにして、「その子そのもの」の内実に迫っていきたいからだろうと思います。
あくまでも私見ですが、「知識はあるけれど心が乏しい教師」が、残念ながら教育界には存在すると思います。けれど思うに石川くんは、「心は十二分に満たされているし、子ども(人)を曇りの無い目で視ることができるけれど、知識の獲得は発展途上」の人だと思います。そこで、「応援する大学、名産大」としては、石川くんへのサポートは明確になります。私もサポーターの1人を務めていきます。
(つづく)