高濱ゼミが組織力向上コンサルティング・研修を実施

愛情教育と実践教育で学生を応援する名古屋産業大学(MEISAN)。

そんなMEISANの授業を紹介する「授業レポート」。今回は、2018年に高濱先生の専門ゼミ3年生の学生が経営コンサルティングと企業研修を実施した産学連携事業を取り上げます。
人的資源管理、人材マネジメントといった組織で働く「ヒト」に関する研究を行っている髙濱ゼミでは、大学での学びを実際の社会で活かすべく、産学連携事業として、ご協力頂いた株式会社ビジネス・ソリューションが更に素晴らしい企業へと成長できるよう「組織力強化」支援のプロジェクトを実施いたしました。

同社への支援目標は、「従業員が辞めない企業(リテンション)」、「多様性を有している誰もが働きやすい企業(ダイバーシティ)」、「若者が入社したくなる企業(リクルート)」にするために、学生目線のアクションプランの提案と実行、そして定着です。

実施のプロセスは以下のとおりです。


1.リテンション策、ダイバーシティ策、リクルート策を各人が先行研究・発表し情報共有
2.会社見学で職場を理解、および社長に対して状況のヒアリング
(以前ご紹介済みhttps://www.nagoya-su.ac.jp/2018/08/10710/
3.支援内容の検討
4.現状把握のため、組織力強化アンケートの作成・実施・分析
5.第一弾の支援策として、「ワークエンゲイジメント(仕事への誇り)」、「ワークモチベーション(仕事へのやる気)」を向上させることに目標設定
6.従業員研修を実施することに決定。内容は以下のとおり
1)アンケート結果を従業員に開示
2)学生目線の改善案を提示
3)1)と2)をふまえ、従業員の皆様に、「働き甲斐のある企業とは」をレクチャーした上で、ワールドカフェ形式で議論をし、課題と実行策を発表
7.研修準備のため、まずは学生自身がワールドカフェを体験し理解(本学内で中小企業大学校主催の経営者と学生が「良い組織の条件とは」について議論・発表を経験)
8.ビジネス・ソリューションの社長へアンケート結果を開示し、研修実施の了承を得る
9.研修内容の検討(投影資料、配付資料、タイムテーブルの作成)と練習
10.研修の実施


今後も支援は続きますが、今回は昨年11月22日(木)株式会社ビジネス・ソリューションの従業員20名の皆様に向け企業研修を髙濱ゼミ9名で力を合わせて実施したことをご紹介します。

アンケートは、50人以上の組織で義務づけられているストレスチェックの質問紙をベースに、精緻な現状把握のため自由記述の項目を検討し付け加えました。回収後はゼミ生で力を合わせてデータの入力・分析、研修内容を検討しました。
研修前には、授業の空き時間や授業後夜遅くまで残って、同社の組織力強化に貢献できるにはどうしたら良いか全員で意見を交し合い、また資料の修正でメールが夜中まで飛び交っていた状況が何日も続きました。
学生は今まで授業等を聴く「受講者側」が殆どでしたが、自分達よりかなり年上(親世代でしょうか・・・)の参加者の方へ、良い組織の条件とアンケート結果を分かりやすく、かつ効率よく伝えるといった「講師側」へと立場が逆転します。タイムマネジメントをしっかりするため、各人のパート毎の時間をはかり、詳細なタイムテーブルを作成し実行計画を立てていました。

研修当日、リクルートスーツに身を包んだ学生達は、午前中に学校内で最後の練習をした後、学園バスで愛知県愛西市にある同社へ移動。その移動の車内でも発表資料の修正は続きました。
始まる前は皆緊張の面持ち・・・。しかしながら「コミュニケーションの際は常に笑顔で!」が口癖の髙濱先生の指導を体現し、参加者の方が入室された際には全員笑顔で明るく挨拶し、皆様を丁寧に座席へと誘導していました。
またパワーポイントでの発表も、参加者の方の表情を見ながら、分かりやすく、ゆっくりと言葉を尽くしての説明を心がけました。
ワールドカフェのテーブルホスト担当の学生は、従業員の方の意見を傾聴するだけでなく、議論が盛り上がるようコーチングの質問技法を駆使し、また席替え後は今までの議論の内容を分かりやすく伝えるよう工夫して伝えました。
研修の最後には、社長の前で各テーブルにて議論した内容を発表しました。


従業員の方にご記入いただいたアンケートには、「他部署の方と話し、刺激をもらえた。もっと明確な目標を持って働きたい」、「学生の意見に納得するとともに現実とのギャップを感じた。意見交換の場は新鮮だった!定期的に職場内でも議論する時間を設けたい」、「人を褒めること、意見尊重の大切さに気付いた。仕事にも是非反映したい」と言ったことが書かれていました。

今後、社長も従業員の方々も双方が「働きやすい職場」にするために改善に向けた施策を実行して頂けるよう高濱ゼミ一同心より祈念するとともに、引き続きの支援策を検討して参ります。

ゼミ長の岡﨑君は、「企業の問題点を分析し改善策を推進するというプロジェクトで、社会を経験していない私たち学生がどうすれば良いかを研究し、皆で考え抜いた。全国平均が取れるアンケートで実施し数値を比較することで課題の発見に繋がった。研修では、企業の問題点と解決策を皆様に発表した。またワールドカフェを実施し、普段社長に言えないことや、従業員同士の前向きな議論の場を提供させて頂いたことで、全社一丸となって自社が更に良くなるための行動とは何かを明確化できた。私たちも議論に加えて頂いたことで実際の企業の課題に直面でき、過去に調査した他社の好事例をヒントとして伝えたりして、今までの研究を社会に還元する良い経験となった。このことを就職活動や、入社後の企業が働きやすい職場になるよう主体的に貢献していきたい。」と語り、「学修」と「実践」の重要性を、身を持って実感できたようです。

なお、本取り組みは、中部経済新聞(2018年12月4日)にも掲載され、エントリー・発表した社会人基礎力育成グランプリでも奨励賞を獲得しました。

今後、同社への支援は、新高濱ゼミ生へと引き継がれます。継続支援により、さらに働きやすい職場となることを願い、ゼミ生で力をあわせ尽力していきます。