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◇愛情教育、この指とまれ◇その708◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語  vol.78竹澤 伸一

「楽コミュ」(比較的楽な場面でのコミュニケーション)と、「プレコミュ」(プレッシャーのかかる場面でのコミュニケーション)を巡る議論を、もう少しだけさせてください。「名産大2年生」や、読者の皆さま、それに本連載に関わるすべての皆さまが、「令和の時代を楽しむ」ために、必要な議論だと思いますので。

前回の最後で、「令和は何年続くのやら」様が指摘した、「竹澤のアクティブラーニングに対するこだわり」について、少し訂正します。こだわっているのは私だけではありません。文部科学省や経済産業省など、国の省庁も思いっきりこだわっています。今やアクティブラーニングを推進することは、大学のような高等教育機関のみならず、全教育機関で「マスト」のことなのです。なぜなら、「対話的で深い学び」は、AIにはまだまだできないかも知れず、人間固有のものだからです。AIに取って代わられると言われている職業の多くは、よく吟味してみればわかりますが、「対話的で深い学び」は、あまり必要としません。AI全盛の時代に、人間に残された、人間にしか務まらない職業の前提として、アクティブラーニングによる学びが必要なのです。

では、「名産大2年生物語」の主人公たちは、「対話的で深い学び」を保証されているでしょうか。「令和の時代を楽しむ」ためには、この「保証」がとても大事です。ここで名産大春学期の、「ある授業」に対する学生の評価コメントをご紹介します。「自分で考え、他の人と対話することを目的とするアクティブラーニングは自分にはつらい。けれど、いずれ社会に出たときに必要になると思うので練習していきたい。」

読者の皆さま、このコメントをどのように受け止めますか?私は、将来、大きな果実を得るために、つまり大きな楽しみを得るために、今はつらくても練習するという、胎動の表れと受け止めたいと思っています。

(つづく)