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◇愛情教育、この指とまれ◇その715◇続、名産大のキャリア支援の今をお伝えします。 vol.5竹澤 伸一

Aさんの履歴書作成がクライマックスを迎えます。「卒研」と「特技(資格)」を融合させ、「大学生活でどう開花したのか」を書いた後、この3つをミックスして「自己PR」を書いていくのです。

ところで、「自己PR」によく使われる「PR言語」というものがあります。例えば、「(私は)継続力があります」とか、「フットワークが軽いです」とか、「コミュニケーション能力が高いです」とかの、「自分押し」の言語です。何だか歯の浮くような言い回しですが、そう言い切る根拠さえしっかりしていれば、たとえ歯が浮いても堂々と使うべきだというのが私の考えです。

そこでAさんの「自己PR言語」ですが、「観察力」をメインにしました。ご紹介した通り、Aさんは、子どもを中心にファミリー層をターゲットにした、疑似自然体験を含んだアミューズメント業界へ、将来の就活も見越したインターンシップを希望しました。その業界では、「生き物」を扱うため、コンディショニングのための細密な観察が必要になってきます。ふだんから「卒研」制作のために、細密な観察眼を持ち、「資格」の内実を発揮してフィールドワークを進めているAさんなので、「生き物」の育成には、他の誰よりも資質があります。そこを強調しての「自己PR」です。

「自己PR」には、何よりも確かな「根拠」が要求されます。その「根拠」が、さかのぼって考えると、「卒研」であり「資格」であり、それらの大学生活での「活かし方」になるわけです。

さあ、これで「自己紹介書」の最後の項目、「志望動機」を書く準備が整いました。もちろんAさんは、準備万端整っています。なぜならば、インターンシップに立ち向かう業界に関する、十分な研究がなされているからです。ところがAさんと違い、この最後の段階になって、ハタと立ち止まってしまう学生もいるのです。

(つづく)