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◇愛情教育、この指とまれ◇その726◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.6竹澤 伸一
「長いことサッカーのプレーをしてきて、数々の思い出があります。私のポジションはディフェンダー、しかもセンターバックです。私の後ろにはキーパーしかいません。私がかわされたり、私の裏をとられたりしたら、チームは大ピンチに陥るのです。その意味で責任重大です。」
福村涼太くんは、おそらく数々の自分の脳裏に浮かぶ試合の場面を振り返りながら、冷静に語ってくれました。「自分の後ろにはキーパーしかいない」という語りには、チームのために身体を張るという、並々ならぬ決意が込められていると思います。
さてここで、福村くんのお話を、我が身にひきつけて少々語りたいと思います。「自分の後ろにはキーパーしかいない」というポジションが、実は私が長年携わってきた剣道の団体戦にもあるのです。
サッカーに比べると、剣道はかなりマイナーなので、読者の皆さまのために少しご説明いたします。剣道の団体戦の多くは、5人制でおこないます。試合順に、先鋒戦、次鋒戦、中堅戦、副将戦、大将戦といいます。今、まさに団体戦が始まりました。先鋒が勝ち、次鋒は負け、中堅が負けとくると、副将が負けたらチームは終わりです。「副将の後ろには大将しかいない」のです。だから何が何でも最低引き分けに持ち込んで、大将戦に望みを託すしかないのです。
私は選手としては、8割以上先鋒を務めました。つまり「切り込み隊長」だったわけです。誰ですか?「竹澤先生らしいや」とつぶやいているのは??でも監督としては、副将の人選に一番気を遣いました。自分の役割に徹して、とにかく粘りに粘れる選手を起用したのです。
福村くんは「粘りに粘れる選手」だと私は見ています。その「粘り」が、激動の令和の時代でも、チャレンジ精神を生むのではないかと思います。
(つづく)