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◇愛情教育、この指とまれ◇その734◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.14竹澤 伸一

「教職の授業は、色々な意味で自分の血肉になっています。」平田醇くんは率直に語ってくれました。

「まず第1に、授業の中で自己表現の場面が必ずあることです。例えば社会科公民科教育法の授業では、実際に指導案を作って模擬授業をしました。こう教えたい、こう伝えたい、こう説明したいと思っても、的確な言葉が出てこないこともあります。やはり場数を踏むことが大事なのだと悟りました。」

そんなお話をしている最中、突然、平田くんの口が止まりました。こういう時の平田くんは、日頃から考えに考え抜いていることを話してくれます。

「先生、先生には、なりたくない人間性ってありますか?」

少々唐突だったので、私は少し言葉に詰まりました。けれど、すぐに日頃から思っていることが口をついて出ました。

「はい、ありますよ。上から目線の人。えこひいきする人。そして、お世辞を言う人
です。」これを聞いた平田くん、パッと目が輝きました。

「ぼくは、独裁的な人が嫌いです。絶対になりたくないです。どこの世界にも独裁的な人はいると思いますが、特に先生、つまり教育に関わる人には、独裁的な人はいてほしくないです。」

読者の皆さま、平田くんのこの言葉、どのように受け止められますか?平田くんは、大変ナイーブな学生です。平田くんの言う「独裁的な人」は、たとえ仮面を被っていても、平田くんにはわかってしまいます。でも安心。平田くんは言います。「K先生には授業外のことでお世話になりました。」「F先生には、人にわかりやすく説明する方法を教えてもらいました。」

平田くんは、本日も、自己表現の向上に向かって努力中です。

(つづく)