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◇愛情教育、この指とまれ◇その735◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.15竹澤 伸一

「将来は、スクールカウンセラーのような、アドバイザーの仕事に就けたらありがたいなあと思っています。」平田醇くんは、文字通り瞑目(めいもく)しながら語ってくれました。

平田くんの、今までの人生の振り返りも含めた長いお話から察すると、平田くんがアドバイザーのような仕事を志向するわけが、少しだけわかったような気がしました。

「時代は目まぐるしく変化している。」「変化に対応するためには人間も時代のスピード感に合わせなければならない。」「今にAI全盛の時代が来る。人間はそれに対応できるのか。」一種の強迫観念のように、色々な方向から現代人は攻め立てられ続けています。でも、「ちょっと待てよ。」と言いたい人も、たくさんいるのではないでしょうか。「どうぞ、時代は勝手にお進みください。でも、私は、自分のペースで生活していきます。」という人もいるのではないでしょうか。

私は、中学校現職教員の時に、多くのスクールカウンセラーの方々と出会いました。その中に、忘れ得ぬ方が1人います。当時、二十代後半の女性の方でした。その方には、口癖が2つありました。「私もOK、あなたもOK。」「ちょっと待って、深呼吸しましょう。」この言葉で、救われた子ども、救われた親、そして教員がどれほどいたことか・・。

平田くんは、平田くんのペースで良いのです。それで「平田くんはOK」なのです。そして、上から目線で迫ってくる独裁的な人々を、「ちょっと待って、深呼吸しましょう。」と、ひらりとかわしていけば良いのだと思います。

おそらく平田くんと出会う多くの人々が、遅かれ早かれ平田くんの誠実さに気づくことでしょう。そして、平田くんの挑戦することを応援したくなることでしょう。当然、私もその1人だということを明記したいと思います。

(つづく)