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◇愛情教育、この指とまれ◇その741◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.21竹澤 伸一
「コミュニケーションの基本は、話すことではないと思うんです。むしろ、しっかり相手の話を聴き取ることではないかと思うんですよ。」篠原竜也(シノハラ タツヤ)くんは、何かを思い出そうとするかのように語り出しました。
「自分の周りの人を見ていると、時々感じることがあるんです。自分の言いたいことばかり言って、相手の話をちゃんと聞いていないんじゃないかと。」
私は、篠原くんのこの言葉から、ハッとさせられることがありました。今や、多くの人がつぶやいているツイッターというSNSについてです。限られた文字数の中で、自分の主張を言いたいだけ言います。ツイッター同士のぶつけ合いで、一見議論が成立しているかのように思えることもありますが、すれ違ったり、ただ感情を吐露(とろ)しているだけのものも多いです。超大国の元首がツイッターで政治を引っぱったり、ご意見番気取りの芸能人が、俗説を垂れ流していたりしますが、個人的にですが、私には何も響いてきません。おそらく篠原くんも、そうではないかと察します。
ある有名俳優が、型破りな検察官を演じたドラマ(映画)の中の、印象的なセリフがあります。「私は、事件関係者と、直接目と目を合わせて、自分の納得する話が聞きたいんだ。」これです。「目と目を合わせて聞きたい」の部分です。これが大事です。
私もそうですが、日々、メールを多用します。相手の方の時間も拘束せず、必要なメッセージを伝えることができるツールなので便利なのですが、直に伝えないとニュアンスが伝わらない時は、「目と目を合わせて話す」か、少なくとも直接お電話して会話します。よく、一見言葉は丁寧なのですが、内容は一方的で、よく事実を確認もせずにメールを送りつけてくる方がいます(注、読者の方にはいません。念のため。)。そういう方には、事実に基づいた冷静なメールで返信します。
篠原くんとの間は、「目と目を合わせた」豊かな会話が成立しています。
(つづく)