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◇愛情教育、この指とまれ◇その747◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.27竹澤 伸一

「私が、何としても就きたい職業は消防士なのですが、教職の授業が、とても役立っているんですよ。」ある日、大久保俊秀くんが打ち明けてくれました。ん?消防士と教職??

「だって、教職の授業って、対話形式の授業が多いじゃないですか?生徒と、日常的に対話するのが教員だから、当たり前って言えば当たり前なんですが。でも、この対話術みたいなものが、消防士にも思いっきり必要なんですよね。」

ああ、なるほど、という顔をした私に、大久保くんが畳みかけてきました。

「消防の基本である消火活動でも、災害からの救援活動でも、あるいは火災予防の啓発活動でも、1人でできる活動は何もないですよね?計画段階から対話を密にするし、いざ現場に出ると、対話の嵐ですよね?消防の仕事は、即、人命に関わるので、チーム内のコミュニケーションがうまくいってなかったら、助けられる命も助けられません。その対話の基礎を、私は、教職の授業で学ばせもらっています。」

はい、読者の皆さま。大久保くんがめざしている公務員は、消防士(消防職員)なのです。

「消防士は、小さい頃からのあこがれの職業なのです。プロのサッカー選手をめざしたこともありましたが、原点回帰と言いますか、自分の根っこに戻りました。消防士は、人助けをする仕事です。これは、自分の生き方そのものと言えるのです。実は、小学校の時のサッカークラブの指導者が、消防士、しかも救急救命士でもあったので、まさに自分の原点はそこにあったのだと思います。」

大久保くんと消防士との出会いは、サッカーとの出会いと重なり合う部分があるのですね。これはもう、運命的と言えるかも知れませんね。サッカーをプレーしながら、監督・コーチの言動から、消防の仕事に直結するチームプレイの大切さも学んでいたのかも知れません。

大久保くんが消防士になることは、大久保くんのご両親も応援してくださっています。ご自分のご子息が、地域の方々の生命や財産を守る職業に就く。これ以上、誇らしいことがあるでしょうか。振り返って、
名産大での地道な公務員対策の勉強の日々。きっと大久保くんには、良いことが起こると思います。

(つづく)