NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その786◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.66竹澤 伸一

「2年生まで、本当に色々あった大学生活ですが、3年生になって、基本の基本から見直しを図りました。そうしたら、学ぶ意味が、少しずつわかってきたような気がします。」

平田拓光くんは、自分の足元を見るように語り出しました。私は、その姿を受け止めながら、ある感慨にひたっていました。そこで、平田くんに質問しました。

竹「平田くんさ、大学生が学ぶ意味って、どういうところにあると思う?」

平「学ぶ、イコール、社会に出てからの実践力を身に着けるってことですかね。」

竹「うん、もちろんそれが大きいよね。名産大のプログラムは、社会人基礎力の育成を土台にした、社会的実践力の育成に尽きると言って良いからね。でもさ、もっと根本的なところは、どう思う?」

平「根本的ですか、あまり考えたことがないような・・。」

竹「では、質問を変えるね。そもそも大学の授業って、なぜ90分、あるいは100分とかに設定されているかわかるかな?公式には、色々な理由というか基準があるんだけど。学生目線でも良いし、場合によっては、企業目線でも良いと思うから、考えてみて。」

こう言うと、平田くんは長考を始めました。そして、やがて口を開きました。

平「ひょっとしたら、がまんということですかね。」

竹「うん、そうだね。がまん、かも知れないね。もちろん、この問いには正解はないけど。高校までの授業は、基本50分だよね。けれど、大学に来ると、いきなり90分、100分になる。人間の集中力なんて、そんなに続くものじゃないから、長時間を乗り切るには、時にはがまんも必要かも知れないよね。つまり、がまんできるのが大学生なんだと言えるのかも知れない。これは、ある企業のトップが言っていたことなんだけど、大学を卒業した人を採用するメリットの1つに、この、がまんがあると言うんだね。」

平田くんは、思い当たることがあるようで、ひと言、「なるほど。」と言いました。今でも、個対個の勝負をしている平田くんは、この「がまん」を身に着けました。そして、ひとたび「がまん」を覚えると、授業の楽しさが格段に増してくると思います。

(つづく)