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◇愛情教育、この指とまれ◇その802◇続々、名産大のキャリア支援の今をお伝えします。 vol.2竹澤 伸一

『名産大4年生就活成功物語』のインタビューに応じてくれる4年生に、私がいの一番に聴いているのが、「〇〇事業所から内定をいただいて、今の心境はいかがですか?」です。この問いかけを受けた4年生の皆さんは、一様に「え?」という表情になります。読者の皆さま、なぜだと思いますか?

理由ははっきりしています。タイムラグ、つまり時間差の問題です。「就活成功物語」をオンエアできるのは、内定式が実施される10月以降になります。でも、内定自体は、それよりも数か月前になることが多いのです。ですから、内定をいただいた瞬間の感激は、少々色あせていることが多いのです。

では、それがわかっていながら、なぜ、そんな間の抜けた問いを投げかけるのか、です。私は10月以降に、改めて初心に帰ってほしいと思っているのです。内定通知の方法は様々です。電話、メール、郵便・・。最終的な合否が判明する瞬間は、就活生の誰も彼もが、ハートがきゅーっとなります。電話なら、「おめでとうございます。」という担当者の声。メールなら、開いた瞬間の内定の文字。郵便なら、封書を開ける時の一瞬のもどかしさ。そして、歓喜と安堵と虚脱感。

苦労すればするほど、湧き上がる喜びは大きなものになります。でも、数か月経つと、内定がわかった瞬間の感激を忘れてしまいます。10月と言えば、4月入社(入所、入庫・・)の半年前。初心に帰って、気を引き締め直すには良い時期です。だって、入る瞬間より、入った後のほうが圧倒的に長いのですから。

ところで、「おもしろいことに・・」と言ったら、4年生の皆さんには申し訳ないのですが、約30名、インタビューしてきて、「今の心境はいかがですか?」と聴くと、異口同音にある言葉を皆さん発します。読者の皆さま、何だかわかりますか?

そう、その通り。「ホッとしました。」です。10人中、たぶん10人が、同じことを言います。「ホッとしました。」ここからは、まったくの私見です。「ホッとしました。」と皆さんがおっしゃるのは、「承認欲求」と「所属欲求」が満たされたからだろうと、私は見ています。つまり、「自分は認められた」「自分には行くべきところがある」という安堵感から、思わず発せられる言葉ではないかと思っています。

(つづく)