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◇愛情教育、この指とまれ◇その800◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.80竹澤 伸一

「名産大3年生物語」の最終回、本連載も「その800」となりました。ここまで連載が継続できたのも、ひとえに読者の皆さまのおかげです。また、手前味噌で申し訳ございませんが、本連載を支えてくださっているスタッフのおかげです。衷心より、ありがとうございますと申し上げます。

さて本題。大学3年生と言えば、年度末までには、一番若くて21歳になります。21歳ということは1998年か99年生まれ。ぎりぎりで前世紀生まれとなります。時々考えるのですが、20世紀と21世紀とは、どう違うのでしょうか?また、「名産大3年生物語」の主人公たちには、自分たちが20世紀生まれだという自覚はあるのでしょうか?

ざっくり言うと、20世紀は「戦争の時代」でした。世界大戦こそ1945年で終わったものの、冷戦は1990年代まで続き、内戦や局地戦が止むことはありませんでした。では、21世紀の人々は、「戦争の時代」に学び、互いに角突き合わせをすることを止めたでしょうか?21世紀になって、20年が経ちましたが、現状は前世紀を引きずっていることは、読者の皆さまなら、よくご存知のことと思います。

さらに20世紀は「環境破壊の時代」でした。限定的な公害問題に始まり、地球温暖化のような全地球的な問題が発生してしまいました。毀誉褒貶(きよほうへん)はあるものの、グレタさんなどが投げかけた警告は、私は受け止めるべきだと思います。残念ながら「戦争」と同じく、人類は「環境破壊」という負の遺産を、21世紀まで持ち越してしまいました。

「3年生物語」の終わりにあたり、なぜこんな大きな問題を投げかけたのかといいますと、「令和の時代に挑戦しよう」と鼓舞しても、前世紀の「負の遺産」を背負わせたままでは、申し訳ないと思うからです。一人の大学教員が、「負の遺産」に対峙(たいじ)しても、どうにかなるものでもありません。だからせめて、「3年生物語」の主人公たちをクローズアップし、プロデュースすることで、困難な時代に挑戦しようという若者にエールを贈りたいと思うのです。

次回から新シリーズを始めます。読者の皆さま、スタッフの皆さま、よろしくお願いいたします。

(つづく)