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◇愛情教育、この指とまれ◇その814◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.4竹澤 伸一

「学校現場にはマニュアルはないのでは。」と語る小川翔くん。さらに語ってくれました。

「アルバイト先で、バイトリーダーを任されています。シフトを組んだり管理したり、必要な物品を発注したり、材料の準備をしたり、かなり広範囲に仕事を任されています。もちろん、業務に関するマニュアルはあります。しかし、急な対応や、場合によっては変則的な対応も必要な時があります。そんな時、マニュアルにとらわれ過ぎると、一番肝心なお客様をないがしろにすることにもなると思います。」

小川くんの話は、どんどん深いところに入っていきます。「マニュアルはない」と言っても良いし、「マニュアルにとらわれ過ぎない」と言っても良いのです。要するに、学校現場なら「子どもファースト」、アルバイト先なら「お客様ファースト」ということなのではないでしょうか。

小川くんの「対応力」、まさに「アクティブラーニング」が求めるものであり、「アクティブラーニング」の結果として出てくるものだと思います。小川くんとは、4年生のつい最近まで、「教職実践演習」の授業で、毎回、学校現場で起こる様々な事象を、ケーススタディで議論してきました。教職員が、周到に準備を重ねて実施した教育作用であっても、多様な子どもたちの前では、時に覆(くつがえ)されます。その時に問われるのが、まさに「マニュアルにとらわれ過ぎない」対応です。

小川くんとは、3年生の時に、「社会科公民科教育法」の授業で、スクラップアンドビルドの授業づくりを繰り返してきました。いよいよ、やはり周到に準備した指導案(いわば授業マニュアル)にそって模擬授業を実施した際、海千山千の仲間の教職生や、それこそ私によって、突っ込まれることもありました。けれど、そういう時の「対応力」によって、小川くんは、「生きた授業力」を身に着けてきたのだと思います。授業は、準備したものを垂れ流すだけではありません。

小川くんが就く可能性があるのは、中高の保健体育科教員、中学校社会科、高校公民科、同情報科教員と、かなり幅が広いです。すでに小川くんは、自分の中で絞り込んでいるようですが、現場のニーズとの兼ね合いも出てくると思います。

次回、小川くんの最終回。たくさんのことが開花しつつある実像に迫ります。

(つづく)