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◇愛情教育、この指とまれ◇その818◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.8竹澤 伸一

「竹澤先生と出会って、卒研と就活の同時展開をゼミで毎回おこなうことで、否が応でも会話のラリーが続けられるようになりました。」井下田尚之くんは、多少、苦笑交じりに語り出しました。

「ゼミの中で黙っていると、そこに居場所がなくなるので、何か話さざるを得ません。この緊張感に、はじめは戸惑いました。一般の講義なら、90分間黙っていても、特に非難されることもありません。でも、竹澤ゼミは、徹頭徹尾アクティブラーニングなので、黙っていると自分が後ろめたくなります。しかも、90分間に、最低1回は、自分の番が回ってくるので、逃げることもできません。スルーしたい気持ちを抱えながらも、とにかく自分の考えをその場で絞り出すという、一種の覚悟みたいなものが身につきました。」

そうです。井下田くんの言うように、アクティブラーニングには逃げ場がありません。講義だと、教員が主体で学生が客体という、授業理論では本末転倒のことがよく起こります。だから客体である学生の多くが寝てしまうのですが、アクティブラーニングでは全学生が主体なので、寝ている暇がありません。竹澤ゼミ4年生の場合、決して広くはない研究室の中で、私を含めた10名が、毎回顔を突き合わせてセッションしています。卒研・就活の準備とも、「慣れ合い」では決してできないので、90分経った時には、皆、激しく消耗しています。

「でも、そのおかげで、私も含めた『トレーニング班』の全員が、紆余曲折はあったにせよ、卒研も就活も、うまくいったと思います。」井下田くんの脳裏には、2年間で50回を超える、ゼミでのセッション(議論の応酬)がよみがえっているようでした。

「ところで井下田くんさ、自分の中で、卒研と就活が、最終的にどう統合されたのかな?」改めて私は、気になるところを聴いてみました。井下田くんは、しばらく考えた後で口を開きました。

「はい、私は、色々迷った末に、おそらく日本人の大半が知っている会社に入り、まず一流のトレーナーをめざします。そして卒研では、『トレーニングの経済的付加価値』について、他の4人のゼミ生と共同研究をしてきました。共同研究で、私が担当したパートは『統合型スポーツ施設の展開』でしたが、私の中では、卒研と就活は、文字通り統合されています。」

(つづく)