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◇愛情教育、この指とまれ◇その854◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.44竹澤 伸一

「竹澤先生とともに学んだ地域環境認知論の授業は、アクティブラーニング100%で、とっても刺激的でした。私には、大きく2つの収穫がありましたね。」

廣島大基くんは、4月から7月にかけて楽しんだ、オールディスカッションの授業を、半年ぶりに回顧して語ってくれました。

「ラウンドテーブルのある教室で、いつも他の5人とディスカッションしていました。最初は、竹澤先生が提示する課題に対する議論が中心でしたが、途中からは、メンバー同士、課題を出し合えるように成長していきました。『わかることを増やしていくことも大事だけど、むしろわからないことをいっぱい見つけてください。』という竹澤先生の問いかけが斬新で、参加者全員に火がつきましたね。」

読者の皆さまに問いかけます。「わかっているようで、実はわかっていないこと」って、実はたくさんありませんか?「地域環境認知論」の授業は、名産大が立地する尾張旭市と、授業参加者の出身自治体の相互の環境を徹底比較することで進行していきました。例えば、自治体ごとに定められているごみ出しのルールは、それこそ自治体の数だけ存在します。分別の仕方も千差万別です。自然環境や社会環境が近似している隣接する自治体でも、ルールが大きく異なります。なぜでしょう?

「まさか、ごみ出しのルールを探っていったら、その自治体のそもそもの成り立ちとか、首長さんの考え方とか、市民意識とか、予算の問題とか・・。いったいどこまで深くなるのかわからなくなりましたよね。」

このようなオールディスカッションの授業で、廣島くんが身に着けたと自覚しているのは、課題の共有力と地域の再発見力と呼べるようなものだろうと思います。「課題の共有力」というのは、グループの誰かが、「これ何だろう」「これ変だよね」と思ったことを、自分の中に留めていないで口に出すことで、その座にいる皆が、「どれどれ、それはどうなんだ」と考え出す力のことです。自分の中にしまってしまうと、とてももったいない発想というものが、誰しもあると思うのです。「地域の再発見力」も同じ。「おや?」と思ったことを、とにかく口に出すことです。廣島くんは、およそ1200分の議論の中で、自分が20年以上生きてきた自治体について、改めて見直したそうです。

(つづく)