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◇愛情教育、この指とまれ◇その857◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.47竹澤 伸一

「私は自信を持って言えます。名産大に来て4年間で、人見知りを完全に克服しました。」

福嶋翔悟(フクシマ ショウゴ)くんは、誇らし気に語り出しました。ところが突然、福嶋くんは話題を転じます。

「先生、初動負荷ってご存知ですか?」

一応、私も剣道家の端くれ。もちろん知っています。

「先ごろ引退したイチロー選手などが、意識して取り組んでいたトレーニング法だよね?」

福嶋くん、我が意を得たりという表情で、再度語り出しました。

「そうです、初動負荷トレーニングのことです。私は思うんですが、人見知りを克服するのは、この初動負荷トレーニングと似ているんです。そう思いませんか?」

福嶋くんにこう言われて、私の中に電流が走りました。人見知り克服と初動負荷トレーニング・・。読者の皆さま、どう思われますか?福嶋くんの解説を聴きましょう。

「人見知りの人の最大の特徴は、初対面の人の前で、緊張して固まってしまうことだと思います。つまり、言葉でも行動でも一歩が踏み出せず、その場にフリーズしてしまうんです。そこから一歩を踏み出す感覚と、止まった状態から次のプレーに一歩踏み出す感覚とが、私の中では同じなんですよ。言葉を一言発するのにかかる負荷を、ポンと乗り越えれば、その続き、つまり二言三言は、案外スムーズに出て来ると思うんです。つまり初動、何でも最初の一歩だと思うんですよね。」

納得、納得。福嶋くん、すごいです。福嶋くんも、ある球技のプレー歴が長い選手。しかも、現在、ボディビルやボディメイクの一種である、「あるトレーニング」を積み上げています。その一環としての初動負荷トレーニング。そこからの、コミュニケーション能力鍛錬への応用・・。

「私は、名産大のキャンパス内でも、遠征先でも、アルバイト先でも、研修先でも、あらゆる場面で、初対面の方々に、自分から話しかけ続けました。毎日、毎時、毎分・・が、人見知り克服のための初動負荷トレーニングのようなものでした。そして、たぶん「あの時」から、自分の中の『人見知りという負荷』が取れたように思います。」

(つづく)