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◇愛情教育、この指とまれ◇その879◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.69竹澤 伸一

私のために、「メンズのお店」を数軒探索してくれた名産大卒業生の2人。私が一番うれしかったのは、私のために貴重な時間を使ってくれたことでした。そのことへの感謝を告げた後で、私は2人と、「ビジネス心理」の話をすることにしました。

「お二人ともよく知っているように、お店(実店舗)やネット通販で、その商品を買うか買わないか意思決定するのは、一種のビジネス心理だよね?」

はじめ、2人はキョトンとしましたが、すぐに私の意図を察して、考え始めてくれました。

「ネクタイをプレゼントすることは、もちろん先生にバレてはいけないので、直接好みを聴くわけにはいきません。だから私たちは、無計画に、出たとこ勝負でお店に行ってしまいました。案の定、店内で路頭に迷うようなことになってしまいました。」

「それで結局、自力探索はあきらめて、明らかにプロだと思う人に助言を求めることになりました。」

私は、すかさず聴きました。

「その前の店、さらにその前の店には、若い店員さんしかいなかったと言ったよね?彼らに尋ねてみるという選択はなかったの?」

2人は、顔を見合わせました。そして、きっぱりとこう言いました。

「私たちは、明らかな学生で、相手も若い店員さんです。失礼ながら、先生の年齢に合うネクタイを、先生の身になって選んでくれるとは思わなかったんですよ。それなりに選んでくれるとは思いましたけど。」

「消費者行動論とかマーケティングとか、買う側、売る側の考え方を、一応、自分たちも勉強してきているので・・。」

いかがですか、読者の皆さま。このお二人は、定評のある企業のBtoBの営業職に就くのですよ。私に贈るネクタイを選ぶのに、気を遣い(お客様に対してと同じ)、商品の選択の最適化を図り(ビジネス心理、マーケティングリサーチ)、年長者に助言を受けるという行為をしているのです。いつの間にか自分たちの消費行動にも影響を及ぼしてしまう力が、名産大の職業教育にはあるのだと思います。

(つづく)