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◇愛情教育、この指とまれ◇その900◇紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。 vol.20竹澤 伸一

アクティブラーニングの「一般的特徴」の最後、「認知プロセスの外化」即ち、「問題解決のために知識を使ったり、人に話したり書いたり発表したりすること」がなぜ大事なのか、です。それは、学生が正当な評価を受けるためと、学修成果を自分だけに留めず、仲間と共有するためです。

ですから教師は、学生に「話したり書いたり発表したりする機会」を提供する必要があります。そして、その「外化行為」を、1つ1つ丁寧に、正当に評価する必要があります。大学で言えば90分を15回、計1350分という膨大な時間を、ただ己れがしゃべりまくって終わり、その理解度を、たった1回のテストを以て判定するなどという、時代に逆行したバカげた行為を改める必要があります。

一方、学生も、ただ講義を聞くだけという受け身の態度でいたり、自分の得た知識やスキルを、自分の身だけに囲っているのは良くありません。自分が得たものを、隣人と共有してしまったら、損をしてしまうのではないかと、一見思われがちです。でも、思い切って外に出すことで、自分の知見を揉んでもらうことです。そうすれば、仲間から新たな知見を受けるというチャンスにも恵まれ、自分自身を太く、広くすることができます。

以上のようなことを、私は4人の討論者に伝えました。そして、最後に一言いただきました。

M「ご存知かと思いますが、中学校の教科書が、軒並み厚くなり、『対話的で深い学び』が、教科書を通しても生徒に共有できるよう、改革がなされました。学び方改革が中学生に求められているというより、教師に突きつけられている現実を直視していきたいと思います。」

S「アクティブラーニングは活動主義であり、内容が無いなんて言っている教師は、やがて淘汰される時がくると思います。私は、自分自身の授業改革をしていきます。」

Y「就活コンサルから見ると、アクティブラーニング大歓迎です。学生に言いたいのは、大学が変わらないのであれば、自助努力で、自分自身を変えなさいということです。」

K「アクティブラーニングベースで入社する学生は会社を活性化し、外化できない人材は居場所がなくなっていくと思います。今度、人事部に移るので、再度意識していきたいと思います。」

討論者の皆さま、読者の皆さま、ありがとうございました。次回からラストシリーズです。

(つづく、あと100回)