NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その903◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.3竹澤 伸一

「信用金庫は、地域の最後の砦」と認識した後藤勇輝也くん。「信金マンとして、地域形成がしたい」という夢を語ってくれました。4月下旬になっても、一向に終息の気配を見せない「コロナ禍」の中、地域産業にとって、まさに「信用金庫は最後の砦」というのが実感されます。

そこで、後藤くんと一緒に、「信用金庫の役割」について、改めて確認したいと思います。

まず、銀行と信用金庫は、金融機関という点では共通していますが、実は根本から役割が違います。銀行は株式会社なので、利益を出して、それを株主に還元しなければなりません。しかし信用金庫は、会員が出資する共同組織であり、株式会社ではありません。従って、利益を上げることを第一目的とするのではなく、地域社会と所属会員に利益を還元することを目的にしています。

次に、信用金庫の会員ですが、従業員が300名以下、もしくは資本金が9億円以下の、いずれか一方の条件を満たす事業者と決められています。いわゆる中小企業の経営者、役員、従業員の皆さんが対象となります。また、信用金庫の営業地区内に住所・居所を有する者という制限もあります。つまり、その信用金庫の営業エリアに入る事業所の皆さんということになります。

信用金庫の会員になると、非会員の事業者に比べ、融資限度額の上限が緩和されます。もちろん、非会員の事業者も融資が受けられないわけではありません。

ここまで後藤くんと一緒に、信用金庫の役割を見てきました。すると、後藤くんが、ふと、こんなことを言いました。

「信金の会員の皆さんは、自分が経営する事業所の安定経営を担保(たんぽ)する目的で、そもそも信金に出資していると言えるんですね。もともと事業規模が小さいので、コロナ禍のような不測の事態が起きると、経営の行き詰まりが起こりやすいです。そんな時、ピンチを何とかしのぐために、それこそ最後の砦となるのが信金の役割なのですね。」

別れ際に後藤くんはこう言いました。「信金へのインターンシップを後押ししていただいて、見えてきたものがたくさんあります。自分の夢に向かって頑張ります。」

(つづく、あと97回)