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◇愛情教育、この指とまれ◇その912◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.12竹澤 伸一
篠原竜也くんとの議論が続きます。5年後、10年後の、篠原くんの夢に直結する議論です。
篠「2つ目に気になっていることなんですが、竹澤先生は、情に厚い先生って、どんな先生だと思いますか?」
篠原くんの目が、やや挑戦的になっています。私は、ちょっとガス抜きをしました。
竹「情に厚い先生って・・、君の目の前にいるじゃん(笑)。」
目と目が合った我々は、思わず大爆笑してしまいました。
篠「先生の情は、厚過ぎてうっとうしくなりますよ。卒業したゼミの先輩が、笑いながらしょっちゅうこぼしていましたけど、授業の欠席が少し続くと、途端に電話がかかってきますもんね。N先輩なんか、5分置きに20回以上電話が来たって言ってました(笑)。でも、どんな小さなことでも、決して見逃さずに心配してくださるので、うっとうしくても(笑)ありがたいです。」
篠原くんとは、もはや阿吽の呼吸で語り合えるので、あえて聴いてみました。
竹「篠原くんさ、逆に聴きたいんだけど、教員の、あるいは教育職の、本来の情の厚さって、どういうことだと思う?」
篠原くんは、腕組みをして、眉間に縦ジワを寄せました。全力で考えている姿です。
篠「自分の教科や学問の内容を、一生懸命レクチャーすることに精力を使う教育職も大事だと思いますけど、子どもを理解するための知識や知見、方法などを、全力で学ぼうとする教育職が、情の厚い方々だと思います。」
私は、あえて誤解したふりをして、こう尋ねました。
竹「つまり、カウンセラー的な人が、情が厚いと・・・。」
篠原くんは、私を遮って、こう言いました。
篠「そんな専門的なことではなくて、自分の伝えたい内容を、子どもがどう受け止めているのか、常に気にしながら接するような・・・。」
読者の皆さま、篠原くんの5年後・・、すっごく期待できると思いませんか?
(つづく、あと88回)