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◇愛情教育、この指とまれ◇その927◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.27竹澤 伸一
コロナ禍で「ステイホーム」が続いている影響か、このところ長文のメールをくださる方、特に高校生の皆さまが増えています。今回は、平田拓光くん宛に届いたメールを、抜粋してご紹介します。
「・・・先日、めざしていたインターハイ(注、高校総体)の中止が決まりました。高校生活どころか、今までの競技生活のすべてをぶつけてやろうと思っていたので、残念というか、心の中にぽっかりと大きな穴が開いたようになっています。(中略)ユーチューブなどの動画には、色々なアスリートからの励ましのメッセージがあるけれど、イマイチ心に刺さってきません。ひがみ根性のような感情がわいてきてしまうのです。あなたたちはいいよ。すでに世の中に出て活躍している人ばかりじゃん。私なんて、私たちなんて、これから活躍する場を奪われてしまったんだよ。(中略)
そんなささくれ立った引きこもりのような生活の中で、たまたま父親に勧められて、この連載を読み始めました。真っ先に開いたページに、平田さんの記事がありました。『周囲に信頼される人』『集団の中で光る存在』・・、大学4年生(ですよね?)と言えば、就活真っ最中のはず(ですよね?)。私のように、インターハイ中止で腐り切っているどころじゃなく、就活さえままならない中で、こんな前向きな『よし!』が言える人がいるんだと、何か知らないけど気づかされました。平田さんは、『他人が見ていないところで、ものすごい努力をしている人』の存在を意識し直して、『よし!』と、気合いを入れ直しています。有名なアスリートたちの言葉より、平田さんの『よし!』のほうが、よほどグッときました。(中略)
そして次の記事に、この連載をしている竹澤先生が、平田さんに『38個の自分史づくり』を提案するところが出てきます。ここをを読んだ瞬間、私は自分の部活ノートを取り出していました。中1から高3の今まで、ほぼ毎日、反省と発見を書いてきました。でも自分で書いてきたことの振り返りをするのを忘れていることに気づきました。それどころか、自分の部活ノートが15冊目になっていることすら忘れていました。私も『よし!』と言って部活ノートを逆向きにたどり、自分史を作ってみようと思います。(後略)」
メール、ありがとうございました。このメールの末尾に、お父様からこんなメッセージがありました。「先生、感染リスクがある中で、毎日の連載ありがとうございます。息子は再出発できると思います。」
(つづく、あと73回)