NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その962◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.62竹澤 伸一

「コロナの時代になって、つくづく思うことがあります。コロナ禍が起こる前の日常は、いかに自分たちにとって、大切な日常であったかということです。人間は、失ってみて初めて、そのことの大切さに気づくものなのですね。」

熊﨑純也(クマザキ ジュンヤ)君は、過ぎし日を懐かしむように語り出しました。私は、熊﨑くんの「なりたいもの」を熟知しているので、あえて次のような問いを投げてみました。

竹「熊﨑くんさ、コロナの時代だからこそ、熊﨑くんが目指す世界が、ますます大事になってくるんじゃないかと思うんだけど。」

熊﨑くん、私の問いの意味を測りかねているようでした。それで、「疑問を疑問で返す」という、なかなかの高等テクニックを使ってきました。

熊「先生は、私がめざしている社会を、いったいどんな社会だと考えていらっしゃるのですか?」

「うわっ、やられた」と思いました。でも、ここは答えなければなりません。

竹「わかりやすく言えない感じはあるんだけど、現実世界と仮想世界とを、うまくつないでいく社会だよね?リアルな世界の取引なんかが、できるだけ円滑に進むように、バーチャルな世界を駆使して応援していくような・・。」

熊﨑くん、少々難しい顔になりました。でも、この表情は、頭がフル回転している証拠です。

熊「今、バーチャルな世界とリアルな世界との区分、区別が、とっても曖昧になっているような気がしています。でも、バーチャルな世界は、どんなに頑張ってもリアルな世界にはかなわないと思うんです。いくらうまそうな料理をディスプレイで見たとしても、自分の空腹を満たすことはありません。その意味で、特にウェブ上で起こることは、どうあがいてもリアルな世界の代わりにはなれないと思います。名産大でも、オンライン授業が実施され、みんなの努力により機能しているとは思います。でも、それはあくまでもリアルを前提としてのことですからね。」

熊﨑くん、このような事態になったからこその深淵な思考だと思います。次回、それがどのように「夢」につながっていくのかを掘り下げます。

(つづく、あと38回)