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◇愛情教育、この指とまれ◇その981◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.81竹澤 伸一

「私(竹澤)が、かつて接したことのある公務員(一般行政職)の方々の中には、必ずしも自分の仕事を面白がっていない人もいた。」と、私が吉見倫太郎くんに告げたところ、吉見くんの表情が一変したというお話を書きました。私は、即座に吉見くんの変化を見て取り、質問してみました。

竹「吉見くん、私、何か気になることを言った?」

吉見くん、しばらく黙り込みました。そして、私の目をまっすぐに見て、こう言いました。

吉「先生、先生のおっしゃったことは、ある面、公務員というものの本質を突いていると思うんです。私の理解では、公務員の世界は上意下達(じょういかたつ)の世界だと思います。例えば、市役所の〇〇部には部長がいて、その下に課長がいる。そして係長や主任がいて、いわゆるヒラがいるわけです。一般行政職って、だいたいそんな感じですよね?」

私は、黙ってうなずきました。すでに吉見くんは、公務員の職階(しょっかい)について精通しています。ここは聞きの一手です。

吉「市長も交えた幹部会議で決まったことが、部課に上から降りてくるのが普通なので、特にヒラの公務員は、それに沿って黙々と業務をこなしていれば良いわけです。違いますか?」

またも、私は黙ってうなずくしかありませんでした。でも、吉見くんが次に何を言いたいのか、自ずとわかった気がしました。案の定・・。

竹「先生の言われる、仕事を面白がっていない公務員の方は、上から言われるままに仕事をしているだけなのでしょう。でも、たぶんですが、これからの公務員は、あくまでも市民・住民のためですが、奉仕すべき方々のために、自分の頭と身体を使って勉強し、時には、前例主義の上司に対して意見が言えるような職業人でないといけないと思うのです。今、私は、目の前の課題から逃げない公務員、市民のために良かれと思う発想を、何とか実現に漕ぎ着けようとする公務員の事例を研究しています。全国には、ええーっと思うような仕事を成し遂げている公務員が、思いの外たくさんいらっしゃるのです。リサーチするのが楽しくて仕方がありません。」

読者の皆さま、吉見くんの5年後、10年後が、楽しみではありませんか?

(つづく、あと19回)