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◇愛情教育、この指とまれ◇その976◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.76竹澤 伸一
私は、毎週末を中心に、ボランティアで就活支援をおこなっています。コロナ禍によって職を失った多くの方々・・。その中には、ひっそりと経営を閉じた、地方都市の高齢者施設も含まれています。その施設に、非常勤職員として勤めていた、ある理学療法士の方から、西川輝くん宛にメールが寄せられました。抜粋してご紹介します。
「・・・西川さんのおっしゃるように、理学療法士は人生のサポーターのつもりで務めてきました。私の本務先は、あるリハビリ病院ですが、週に2回、近くの高齢者介護施設にお邪魔して、お年寄りの生活動作のサポーターを務めてきました。しかし、入所しているお年寄りはともかく、通って来ているお年寄りが、コロナの感染を恐れ激減してしまい、経営が苦しくなって、とうとう閉所に追い込まれてしまいました。私の来所を、毎週楽しみにされていた方が多かったので、返す返すも残念でなりません。(中略)
西川さんのおっしゃる通り、私たち理学療法士は、動作の専門家です。大げさではなく、例えば目の前のお年寄りに10メートルほど歩いていただくだけで、どのようなサポートが必要かがわかります。立つ、座る、歩く、あるいは寝る、寝がえりをうつ・・という日常的な生活動作は、特にお年寄りには極めて大事なものになってきます。生活動作が、何らかの理由でままならなくなった途端、その方は急激に弱っていきます。生活動作こそが、健康寿命のアップに欠かせないものなのです。(中略)
幸いなことに、施設の閉所後、行き場を失ったお年寄りの皆さまは、市内の別の施設が引き受けてくださることになりました。そして閉所した施設の職員の方々も、竹澤先生のご尽力もあり、新しい職場へと移って行かれました。でも、こうした例は稀であると伺っております。(中略)
西川さんも心配されていた通り、実は私も、コロナの時代の運動不足を心配しております。ステイホームは徐々に解除されてはきていますが、第2波、第3波が来たり、コロナが想定より長引くような事態になると、国民総運動不足時代に陥ってしまいます。これは、思った以上に深刻なことと、私は受け止めています。コロナももちろん怖いですが、運動不足は生活動作不足からも発生します。(中略)
西川さんのような、卓見を持っておられる方が、1人でも多く理学療法士の道に進まれ、私たちとともに、健康寿命を守っていってほしいと、切に願っております。(後略)」
O様、親身なメールを、ありがとうございました。
(つづく、あと24回)