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◇愛情教育、この指とまれ◇その983◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.83竹澤 伸一

本連載の読者の中には、私が大学教員になってから、就活支援等で関わった、多くの元大学生が含まれています。その中に、渡邊健介くん宛に、大変興味深いメールを寄せてくれた教え子がいます。抜粋して紹介します。

「・・・私は、渡邊さんが神様として崇(あが)めている松下幸之助が創業した会社に、新卒以来ずっと勤めています。あえて我が社と言わせていただきますが、我が社のすごいところは、新入社員に半年を超える研修を課すことです。その研修期間で身に着くことは、働くということは何か、お客様のために奉仕するということは何か、世の中に役に立つものを作り続けることの意味は何かなど、職業人としての根本に関わることです。研修は、決して軍隊式でも何でもなく、常に自分自身の問い直しに終始します。そうした研修を経て、今、誇りを持って働いている身として、渡邊さんをプロデュースする記事を読んだ時、渡邊さんの伸びしろが見えたような気がしました。(中略)

松下幸之助に対する、渡邊さんのアプローチには、尊敬というよりも愛のようなものを感じます。幸之助は、経営の神様とも言われていますが、渡邊さんの言う通り、創りの神様です。原点は、ものづくりです。自分が儲けたいというより、人々の役に立ちたいという気持ちが根底にあります。だから、幸之助の著作にある思想に、人々は感動するのだと思います。(中略)

竹澤先生が2年にわたってラジオ番組出演した、番組パーソナリティのナカジュンさんは、パナソニックミュージアムの紹介もしています。私も一度ならず訪ね、創業者の精神に触れています。渡邊さんもチャンスがあれば、訪れてみてください。見識が広がること請け合いです。(中略)

すごいなと思ったのは、幸之助と高田明氏を比較考察していることです。私から見ると、高田さんは、家電劇場の創設者のような気がします。我が社のマーケティング戦略にはない方法で、家電を消費者の身近なものにしましたよね。ともに一代で業績を急拡大させ、経営や商売だけではなく、その生きざまで人々に影響を与えている点では、私たちには学ぶべきことがたくさんあるように思います。(中略)

創りの神様、売りの神様を渡邊さんが研究することで、渡邊さんの人生が豊かになることを祈っております。(後略)。」

Tくん、メールありがとうございます。渡邊くんには大きなエールです。

(つづく、あと17回)