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◇愛情教育、この指とまれ◇その988◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.88竹澤 伸一

連載のラストから2番目に登場した、篭橋将輝くん宛のメールが、かなり届きました。その中で、おそらく最年少の方だと思われる、男子高校生からのメールを抜粋して紹介します。

「・・・私は現在、車椅子の生活を送っています。そしておそらく、この先ずっと車椅子の生活が続くのだと思います。(中略)

高1の夏まで、私は真っ黒に日焼けしたサッカー選手でした。サッカーは、小学校入学前から始めて、体格はないけど一応俊足なので、中盤のプレーヤーとして、それなりに活躍してきました。高校は、県内のサッカー強豪校に進学し、春先からレギュラーに定着して、運動量の多い選手として注目されていたと思います。そう、あの日までは・・。(中略)

思い出すのも辛いのですが、ある練習試合で、私はいつものように動き回っていました。パスを受け、反転して動き出そうとした瞬間、相手チームの選手から無理なスライディングを受け転倒。そこから先はよく覚えていないのですが、気がついたら下半身が動かなくなっていました。(中略)

連載の中に、理学療法士を目指されている方の記事がありましたが、もちろん私も懸命なリハビリを重ねました。しかし、私の下半身は戻っては来ません。(中略)

その後、たまたま連載を読み続けていたら、スポーツビジネスの勉強をし、将来はJリーグのスタッフになりたいと考えていらっしゃる篭橋さんの存在を知りました。そうか、「スポーツ指導論」「スポーツ心理学」「スポーツ経営学」か・・。(中略)

まだ高2の分際で生意気言うようですが、Jリーガーの社会貢献(夢で会えたらというトークショー、いいですね。)を調べた上で、Jリーグのスタッフとか、他のスポーツビジネスに就くことを考えていらっしゃる篭橋さんって、すごいというか、深いというか、とにかく尊敬します。(中略)

微かですが、私にも希望ができたような気がします。サッカーをあきらめても、まだサッカーは好きです。この先、自分に何ができるのだろうと考えていましたが、できそうなものが見つかるような気がします。直接はお会いしたことはありませんが、篭橋さんには感謝したいと思います。(後略)」

Wくん、ありがとうございました。自己再生のきっかけになれたのなら、大変ありがたいです。

(つづく、あと12回)