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◇愛情教育、この指とまれ◇その998◇足かけ4年、忘れ得ぬ方々を想う。 vol.8竹澤 伸一

 いよいよ本連載も、あと3回。ここからは、本連載を陰に陽に支えてくださった4人の「同志」について記していきたいと思います。まず1人目はSさん。ICTに通じている方から見たら、明らかに「情弱(情報弱者)人間」である私の相談に、常に乗っていただいていました。

アクティブラーナーであり、対面大好き人間の「授業」者である私は、やむを得ざる遠隔授業に面食らっていました。その心理的負担を、少しでも軽減すべく、様々な助言を下さったのもSさんでした。私が「ウェブ面接」に否定的な見解を出した時など、何事もリアルに勝るもの無しと、ICT長者らしからぬ惻隠の言葉をかけてくださったのもSさんでした。思うに、情報通信を知り尽くしている方ほど、その限界も知悉(ちしつ)しているのではないでしょうか。

名産大の遠隔授業は、主にマイクロソフトチームスをツールとして実施されたのですが、授業ごとのチームに、履修学生と教員を紐づけしてくださったのもSさんでした。もしSさんがそれをしてくださらなかったら、名産大の遠隔授業は、比較的スムーズには始められなかったと思います。これは動かしようのない事実です。

私には、Sさんとともに描いていた、アクティブラーナーとしての夢がありました。私のような「情弱人間」でも、何のストレスもなく、学生同士を交流させ、いわゆる「授業の生産性」を高めることができる試みでした。

2人目はNさん。新進気鋭の職員です。ホテルマンの経験もあり、人心を読み解くのに長けた方です。学生が、特に高校生の皆さんが何を求めているのか、会話の端々に私に示してくださいます。本連載は、読者の皆さまあってのものです。「人心」を読み間違えたら、1話とて成り立ちません。

その昔、私が教育委員会に出向していた時、行政の窓口として「広報公聴課」というセクションがあり、よく顔を出させていただきました。そこには、いわゆる「役所の広報マン」がひしめいていたのですが、「市民・住民の方から聴いて書く」という姿勢を徹底していたのを覚えています。そうさせていたのはもちろん首長だったわけですが、私は、開かれた行政について大いに学ばせていただきました。

Nさんと接していると、その時の感覚がよみがえってきてうれしいのです。さて、あと2回、「同志」が1人ずつ登場します。

(つづく、あと2回)