キャリア教育について

 夏休みに本学の「高大連携プログラム」のパンフレットを作成した。この作成途上でいろいろ調べてわかったのが、今は小学校から大学に至るまでキャリア教育を進めるよう指針が出ていることであった。キャリア教育とは、現実的に社会・職業の理解を深め、自分が将来どのように社会に参画していくかを考え、自らの力で生き方を選択していくことができるように必要な能力や態度を修得させる教育であるそうだ。そのような教育を受けてこなかった私にはどうもピンとこない。

 小学校や中学校の卒業作文で必ず書かされるのが将来の職業や夢だ。日本FP協会の調査(2012)によると、小学生が将来なりたい職業のベスト3は、男の子が「野球選手」「サッカー選手」「医師」、女の子が「パティシエ」「保育士」「教師」という結果である。小学生に「将来社会にどう参画するか」という問い自体がおかしいと思う。キャリア教育を受けなくても、大人になれば必然的に社会に組み込まれ、参画し、社会のパーツとして機能していく。

 社会との接点を意識した教育は必要だと思うが、その内容や手法については、試行錯誤の状態である。まだまだいろいろな試みをしていく段階のように思う。

 加藤 悟