若者の底力

石橋健一

今月末(10月29日)に、インターンシップ合同報告会が開催されます。報告会では、平成24年度から始まった新カリキュラムで初の長期インターンシップ(3か月)の実施報告と2回目となる2週間のインターンシップ(導入)の実施報告が同時に行われます。昨年から、2種類のインターンシップに関わって、学生さんの成長度合いを目の当たりにするとその成長の速さには、驚かざるを得ません。

長期インターンシップとインターンシップ(導入)は、事前研修、インターンシップ、最後に報告会での発表、という長期にわたるプログラムになっています。事前研修も回が重なるとともに、学生さんは真剣さが増すとともに、緊張感が増していることが分かりました。しかし、そこは、若者。吸収力が違います。

長期インターンシップ参加学生は、インターンシップ先での最初の1週間は緊張をしていたようですが、2週間めぐらいからインターンシップ先の職場に慣れ始め、1カ月が終わるころには、完全に職場の一員となっていました。そうはいってもすべてが順調なわけではなく、吉川先生のコラムにある通り(※参照 )、様々な事故があった事も事実です。しかし、事故を発生させた学生さんから大学にすぐに連絡がありました。自分自身も気持ちが動転しているはずなのに、冷静な判断と行動ができたことに成長の足跡を見ることができました。

大学のキャンパス内とは全く環境が異なる企業・団体などでインターンシップを行うことが、学生さんにとっては大きな刺激となったことは言うまでもありません。「鉄は熱いうちに打て」と言われますが、学生さんも同じだと思います。社会に出る前の学生さんは、大学という溶鉱炉の中で考えるトレーニングを受けてはいるものの、社会とはアルバイト等の限られた形でしか接触はしていないはずです。インターンシップという授業で、限定的ではあるものの社会を体験し経験を積むことで「精錬され」、さらに、経験したことを大学に持ち帰り、振り返りを行い日々の学修に反映させることで、精錬の度合いが増して来るのだと思います。

インターネットの普及により情報伝達のスピードは以前とは比較にならないぐらい早くなり、同時にグローバル化が進んだビジネスの世界は、中小企業から大企業に至るまでスピードを求めています。以前のような半年や1年の新人研修が実施されている企業は稀です。このような状況下では、自ら考えて発言し、働くことができる人材が求められているのは明らかでしょう。

大学が研究教育機関であることは、人材育成を行う機能を持っていることにほかなりません。本学の新カリキュラムによって育成されつつある人材を、インターンシップ報告会で確認をしませんか。