NSU News
集中講義で山採り苗木採取地の生物多様性向上の効果を検証!
愛情教育と実践教育で学生を応援する名古屋産業大学(MEISAN)。
今回は、夏季集中講義『フィールドワークの技法』の様子をお伝えします。
環境ビジネスコースの長谷川先生が担当する夏季集中講義『フィールドワークの技法』では、地域の自然資源や観光資源を対象に、そのマネジメントに関する課題解決や提案を行うためのフィールドワークを行います。調査の企画から、方法の検討、実施、結果のまとめ、管理者への結果報告までを一貫して経験し、フィールドワークによる課題解決や地域の魅力向上のための方法の基礎を実践的に学びます。
今年度は、瀬戸市で山採り苗木を用いた造園業に取り組む愛日緑化造園株式会社(フォレストニア)の苗木採取地である里山を調査対象地として、苗木採取地の樹林が近隣のそうでない樹林と比較して生物多様性が高い場所になっているかを植物の多様性の観点から科学的に検証しました。このことで、山採り苗木の造園業は、管理放棄された里山の生物多様性保全につながり、地域の生態系を豊かにする事業であるかの考察を行いました。
今回の調査では、苗木採取地および周辺樹林の植物相調査、苗木採取地と非採取地の植物社会学的植生調査および開空率等の環境調査を行いました。これらの調査から、地域の絶滅危惧種であるイチヤクソウやクマヤナギ等が確認されました。調査結果を13ページの報告書としてまとめ、フォレストニアの社長への成果報告会を行いました。
調査結果から、苗木の採取地は非採取地と比較して、草本類の植物の種数が多くかつ地域の絶滅危惧種が含まれていたことから、山採り苗木の事業は生物多様性の向上に資する事業である可能性が高いことがわかりました。この一方で、採取地においても苗木として出荷されない常緑樹が多くなっており今後の植物多様性の低下が懸念されることや、非採取地においてのみ確認された種があること、苗木採取地以外の一部に他の絶滅危惧種や注目種が生育していることもわかりました。これらの結果を受けて、今後の事業活動と生物多様性向上の両立に向けた苗木採取地のあり方について意見交換、考察を行い実りの多い時間となりました。
受講した学生からは、次の様な感想がありました。
- 事前の仮説と現地での実際の状況に違いがあり、現地に行って初めて新たな発見や課題が見つかる面白さを実感しました。
- フィールドワークで実際に現地へ行き、自分の目で見て体験することで、資料だけでは分からない課題や新たな発見を得られることが重要だと感じました。
- 10m四方の中に90種類位もの植物が生育していることが印象に残った。
- 講義で聞いていた愛知県の里山の特徴や植物と環境との関係性について、現地で見ることで知識や理解が深まった。
- 実際にフィールドに出て調査を行うプロセスの難しさと楽しさを同時に体感できる、非常に有意義な講義でした。
環境ビジネスコースでは、環境をビジネスの視点で学修し、環境マネジメントのプロを目指します。キャンパス内での学修だけでなく、地域連携などキャンパス外での実践的な学びも大切にしています。








