「課題解決型学習(PBL)」の実践を通して感じたこと

 ぼくは、昨年度そして今年度と、専門のマーケティングの授業で「課題解決型学習」(Project Based Learning=PBL)を導入、「教育改善(授業改革)」の一翼を担ってまいりました。学生たちに与えた課題は、「地域と連携した新商品の提案」で、昨年度は「プチじくロール」、本年度は「グリーンピーくんランチ」の提案が選出されました。両授業とも、受講生約170人の大所帯を10数チームに分け、提案を競わせたのです。決勝に進めないことは、負担が軽くなると考える学生が多いと思いきや、予選落ちして本当に悔しがるチームが多数ありました。従来の一方的な講義形式では考えられなかったことだと、「課題解決型学習」について、手応えを感じています。

 両優勝チームの提案は、ともに日本経済新聞社・経済産業省共催の「社会人基礎力育成グランプリ」の中部地区大会で発表させて頂き、2年連続して「奨励賞」を頂きました。また、前者、「プチじくロール」に関しては、本学学生食堂をお借りして、「プチじくロール物語:故尾張旭市長 谷口幸治氏に捧ぐ」というテーマで、3ヵ月の長きにわたり写真展を開催し、学内だけではなく、学外からも参加者があり、とても好評でした。

 学生たちはチャレンジ精神を刺激され、主体的に考え、行動する力や、チーム力がついたと思います。与えられた課題に向けて、自発的に取り組む姿勢は、企業の求める能力と一致するはずだと思います。両授業ともに、それなりの成果を上げられたことは、本学教職員の皆様、地域コミュニティの皆様、好意的に取りあげてくださった各種マスコミの皆様、そして積極的にかかわってくれた受講生・ゼミ学生たちのおかげだと思っています。「教育改善(授業改革)」は、まだ始まったばかりです。様々な壁と向き合いながら、根気よく、それらを一つひとつ乗り越えて前に進んでいこうと思います。

内山哲治