ベトナムで会計士として働く

日本で会計士になるためには、会計・法律・経営・経済など様々な科目が出題される公認会計士試験に合格しなければなりません。それでは、アセアンの会計士はどうでしょうか。今回はベトナムの会計士について紹介します。

ベトナムにおける政治の中心はハノイですが、経済・産業の中心はホーチミンです。ホーチミンでは、高架鉄道や地下鉄(現在建設中)などの整備が遅れているため、移動手段は自動車やオートバイが中心です。特に、スクーター(ホンダ・ヤマハなどの日本製が多い)の普及率は高く、車道からあふれ、一部のスクーターは歩道に乗り上げ、歩行者をよけながら、40キロ以上のスピードで走っています。

ベトナムで会計監査の仕事をするためには、公認会計士としてベトナム公認会計士協会に登録しなければなりません。公認会計士の資格を取得するには、8つの基礎レベル試験と6つの専門レベル試験に合格し、大学卒業資格(会計学)の場合、5年以上の会計・財務分野での実務経験が必要です。

基礎レベルの会計士試験は、IT・ビジネスプロセス、経済学、基礎会計学、ビジネス法、ビジネスファイナンス、財務会計・財務報告、管理会計、会計概念・会計原則などで、専門レベルの会計士試験は、倫理・ガバナンス、戦略会計、財務報告、グローバルリーダーシップ、選択科目(税法、リスクマネジメント、監査・保証、現代ビジネスから2つ)などであり、日本の会計士以上に、ビジネス分野の幅広い知識が求められています。

また、ベトナムでは、外国公認会計士に対する特例の試験制度があり、日本など外国公認会計士の資格を有している場合、経済法、投資法、企業会計、監査などの択一試験に合格すれば、ベトナム公認会計士として仕事をすることができます。択一試験は、これまで英語で受験可能でしたが、現在ではベトナム語による試験に変更されたため、外国公認会計士にとってはややハードルが高くなっています。

松田 修