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◇愛情教育、この指とまれ◇その41◇丸岡稔典先生の社会福祉系の授業vol.1 竹澤 伸一

 丸岡稔典先生は「社会学」「障害学」「障害者福祉論」の研究者です。障害者の地域生活や障害者を取り巻く人間関係、障害者福祉制度の評価などについて研究されています。しかも丸岡先生はいわゆる工学博士。工学による障害者福祉、工学による社会学への貢献を常に考えています。

 丸岡先生のお話を私が理解した範囲でお伝えするとこうなります。「福祉と環境」の授業の中で事例として紹介したALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さん。病状が進行して随意筋が動きません。口も手も動かず発話もできません。唯一動かせるのは眼球のみ。そこで眼球の動きで奥様と会話していましたが、眼球も動かなくなり瞼を閉じました。その後、脳波を検出する機器を通して奥様と会話をしていました。つまりこれが機器(工学)による障害者福祉への貢献の一例。

 丸岡先生は国立障害者リハビリテーションセンター研究所への勤務経験があります。だから授業等で話される事例が豊富で、学生に訴えかける力があるのです。

 丸岡先生の連載は前回の松下先生同様6回おこないます。理由も同様、学生からの反響が大きいからです。取材開始直後にいきなり私を鷲づかみにした言葉。「金曜日の1限と2限で私はまったく真逆なことを学生に教えているのです。連続して受講している人は自分の中で消化、整理するのが大変でしょうね。」

(つづく)