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◇愛情教育、この指とまれ◇その495◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.65 竹澤 伸一 

「困難な道だということは重々承知していますが、何とか頑張って、中学校の教員になりたいと思います。」飯野裕司くんは、固い決意を伝えてくれました。「瀬戸市に生まれて、20年以上、色々な先生方に、本当に温かく育てていただきました。その御恩の万分の一でもお返ししたいので、歯を食いしばって挑戦したいと思っています。」

 

私は、中学校教員をしていた時も、大学で教職課程を担当するようになってからも、「教員になりたい」という若者の「動機」を、何百と聴いてきました。その中で特に多いのが「恩返し」という言葉です。当節、何かと騒がしい教育界ですが、「恩師の恩」を感じて、それが「動機」となって教員をめざすという若者は、今後も必ず現れると確信しています。

 

でも、飯野くんは、「恩返し」の質が、今まで出会った若者と、少し違うような気がしています。「恩師に対する恩」はその通りなのですが、「瀬戸市に対する感謝」という、もっと大きなものが背後にあると思うのです。その証拠に、名産大大学院に進学して、研究のフィールドにするのが瀬戸市なのです。瀬戸市の、特に「子どもの現場」に分け入って、子どもの目線から環境認識を調査し、そこから未来の瀬戸市に向かって環境政策を提言しようとしているのです。

 

自分を育んでくれた瀬戸市に対する「恩返し」を真剣に模索する飯野くん。私は、誠心誠意応援していきたいと思っています。

 

(つづく)