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◇愛情教育、この指とまれ◇その507◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.7 竹澤 伸一

「アクティブラーニング」の連載に戻ります。ある科目の「授業評価アンケート」の自由記載欄に、こう書かれていました。「先生の経験談などを取り入れた授業は大変参考になった。学生の様子を見ながらの授業は活発でよく理解できた。」

この科目の特徴は3つあります。(1)実務家(コンサルタント)集団が直接講師となり、複数の授業を担当する。(2)現在進行形のビジネス情報が充実している。(3)「ショートケース」を使った体験的な学習が味わえる。つまり、大学の教室にいながら、実際のビジネスシーンのシミュレーションがおこなえるということです。

実務家とは、弁護士、中小企業診断士、社会保険労務士、税理士などです。映像資料を用いた「ケース分析」などもおこないます。ここで大事なのは「ショートケース」の中身です。大学生の棲む世界とかけ離れた、大企業の経営者の意思決定の場面などは追いません。あくまでも、数年のうちに新社会人となる大学生が実感できるような経営場面を再現し、「ケース化」してシミュレーションをおこない、後にディスカッションに発展させるのです。

例によって私は、この授業に出ていた学生に何人か接触し、「授業場面定着度」と私が勝手に名づけている尺度で、個々の学びを測定してみました。すると単なるビジネス用語の定着には留まらない、深い内容理解が再現できたのです。税理士などの実務家は企業を客観的に分析し、もし問題点があれば洗い出し、経営組織やリーダーシップの在り方まで助言をおこないます。学生たちは、経営分析をアクティブに体験し、確実に力をつけています。

(つづく)